Quantcast
Channel: 技術屋みやびまん
Viewing all 939 articles
Browse latest View live

音で消す消火器

$
0
0

【応用技術】音波消火器

これ、部屋が汚れなくて良いんじゃないですか?

『 米バージニア州フェアファックスにあるジョージメイソン大学工学部の2人の学生が、音波で火を消す新しい消火器を開発した。
 現在4年生のビエト・トランさんとセス・ロバートソンさんは、卒業前の「最終試験」として、この消火器を開発した。  
 外見は従来の消火器にやや似ているが、圧縮空気が入ったタンクから消火剤が吹き出すのではなく、サブウーファーほどの大きさのスピーカーから出る音波で消火する。ブーンという低い音だが、炎に向けると、火はたちまち消える。


 基本的に音波は一定かつ複数の空気の振動なので、ある意味、火を吹き飛ばす感じだ。トランさんらは当初、高い音の方が効果的と考えたが、うまくいかなかった。
 水、粉、泡、化学薬品といった従来の方法で消火すると、消火した後の残留物などの片付けが大変だが、音波はそのようなことはない。トランさんは、この音波消火器をレンジに設置して油に付いた火を消したり、無重力状態の宇宙での使用を想定している。
「宇宙で消火器を使うと、消火剤が拡散してしまうが、音波は無重力でも火にまっすぐに届く」 』
by CNN.co.jp





 
 
 

 

印刷でCMOS回路作成、塗布結晶化法

$
0
0

【電子技術】印刷でCMOS回路作成 塗布結晶化法

『 東京大学や大阪府立産業技術総合研究所などのグループは2015年1月26日、印刷技術を使ってCMOS回路と温度センサーを作成し、これを13.56MHz用のアンテナに接続することで、温度データの送信に成功したと発表した。今回の成果は、キャリア移動度が16.2cm2/Vsと従来の有機材料よりも10倍以上高い単結晶有機半導体により実現した。真空プロセスを必要としないので、製造コストも10分の1以下に抑えられるという。

イメージ 1

 CMOS回路の形成にあたっては、同グループが開発した「塗布結晶化法」を利用した。塗布結晶化法はp型あるいはn型にした単結晶有機半導体材料と粘度の高い高分子を混ぜ合わせた混合溶液を作り、これを基板に塗布するもの。液が乾く際に、下面に高分子層、上面に単結晶有機材料の層が出来上がる。p型の線と、n型の線を間を空けて交互に引き、この上に電極を描き結線することで半導体素子を形成した。デジタル回路としては、メモリー実現に必要なD-フリップフロップ回路やデータの送信に必要な4ビットのシフトレジスターを形成できた。
 温度センサーは、温度によって有機高分子材料「PEDOT:PSS」の抵抗値が変化する特性を生かして実現した。加えて、アナログの抵抗値のデータをデジタルデータに変換する回路を有機半導体材料を使って形成した。この他、塗布結晶法による有機TFT素子を使った整流回路も用意した。
 今回の研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の「革新的有機トランジスタを用いたプラスティック電子タグの開発」として実施したもの。東京大学の竹谷研究室、大阪府立産業技術総合研究所の宇野主任研究員のグループ、トッパン・フォームズ、JNC、デンソー、富士フイルム、TANAKAホールディングス、日本エレクトロプレイティング・エンジニヤースが参加している。
 すでに同グループは2011年に単結晶の有機材料を使った高性能の有機TFT、2012年に塗布結晶法を利用した液晶ディスプレー駆動、2014年に単結晶TFTを低コストのRFIDタグ整流器を開発に成功し、その成果を発表済みである。今後は、温度センサーを搭載した物流管理用RFIDの開発を進め、実用化に近づけるという。また、東京大学内に組織した「ハイエンド有機半導体研究開発・研究センター」において、有機半導体材料開発、パネル部材、装置開発、デバイス開発を行う企業と共同研究を進め、広範な用途に向けた高速動作の有機エレクトロニクスデバイス開発を進める。 』





 
 
 
 

すばる望遠鏡とTMT(次世代超大型望遠鏡)

$
0
0

【宇宙技術】すばる望遠鏡 TMT(次世代超大型望遠鏡)

応用物理学会から/家 正則=大学共同利用機関法人自然科学研究機構 国立天文台

『 国立天文台は主鏡をコンピュータ制御し最高の画質を誇る8mすばる望遠鏡をハワイ島マウナケア山頂に1999年に完成した。10年後には、大気の揺らぎによる像の劣化を実時間補償してその解像力を回折限界にまで高める補償光学装置とレーザーガイド星生成装置の開発により、すばる望遠鏡の視力はさらに10倍になった。すばるが成し遂げた初期宇宙史の解明や太陽系外の惑星の探査をさらに進めるため、国立天文台は2014年度からマウナケアに口径30mの次世代超大型望遠鏡TMTを国際協力で建設する。

1.まえがき

 ガリレオ・ガリレイは、屈折望遠鏡を自作して天体を観察し、「星界からの報告」を1610年に出版した。天体望遠鏡の歴史はここから始まった。1668年にはアイザック・ニュートンが反射望遠鏡を試作し、19世紀にはフラウンホーファーが色消しレンズを実用化した。19世紀末には肉眼での観測から客観的記録の残る写真観測への移行が始まり、20世紀前半にはウィルソン山天文台の2.5m望遠鏡や、パロマー山の5m望遠鏡が完成して、観測天文学が近代化した。1980年代にはCCDカメラの実用化と大型メニスカス鏡、大型ハネカム鏡、セグメント合成鏡の開発が進み望遠鏡は飛躍的な進歩を遂げてきた。
 だが、望遠鏡の大型化で感度は格段に向上したものの、地上からの天体観測の解像力は大気の揺らぎのため角度の1秒角の壁を越えられない状況が続いた。この状態を打ち破ったのが、「補償光学」技術である。大気の揺らぎを実時間補正して打ち消すハイテク光学技術の開発で、大型の地上望遠鏡は宇宙空間にあるハッブル望遠鏡をしのぐ解像力を実現できるようになった。その原理と実際を、すばる望遠鏡と次世代超大型望遠鏡計画を軸に解説する。

2.すばる望遠鏡

 筆者は1972年に東京大学岡山天体物理観測所の口径1.88mの望遠鏡を用いて渦巻銀河の観測研究を始めた。最初は日本一の望遠鏡を大学院生の身で使えることに大いに感動した。だが、やがて海外の天文台での観測データには太刀打ちできないことを実感するようになった。
 助手になり、東京大学東京天文台に異動後、1982年から2年間の欧州留学の機会をいただいた。その間に次世代計画としてハワイのマウナケア山頂に、口径8m級の世界最大の望遠鏡を建設しようという壮大な構想が持ち上がった。帰国した1984年夏に、大型望遠鏡の技術検討会の立ち上げを命ぜられ、以後7年間で50回開催した技術検討会の議論がすばる望遠鏡計画の根幹を決め、1991年から建設が始まることとなった。

2.1 主鏡の製作

 天文学者的な大ざっぱな見積もりでは、望遠鏡の値段は、その全体質量に比例する。望遠鏡の顔となる主鏡が重くなると必然的に全体が重くなるので、まずは主鏡をいかにして軽く作るかが課題となる。パロマー山天文台の5m主鏡は、低膨張パイレックス・ガラスを蜂の巣構造の鋳型に流し込み、中空構造にして軽量化を実現した。だが、すばる望遠鏡ではより高い結像性能を実現するため、膨張係数がさらに2桁小さい米国コーニング社の超低膨張ガラスを採用した。このガラスは粘性が高く、パロマー方式は採用できない。軽量化するには極端に薄くするしかない。苦労の末、直径8.3m、厚さ30cmのガラス円盤が4年後にできあがった。ガラス材の研磨はピッツバーグのコントラベス社が担当した。鏡面を測りながら研磨を進めるには、主鏡の曲率半径に相当する30mのスパンが必要である。同社は石灰岩の採掘坑の山腹地下に縦穴を掘り、すばる用の研磨施設を用意した。
 有効径8.2mの鏡で集めた光の80%以上を焦点面上で0.1秒角に相当するスポット内に結像させるには、設計形状の回転双曲面からの形状誤差を光の波長の14分の1以下に抑える必要がある。主鏡面の曲率中心からレーザー光を広げて鏡面に照射し、反射光を曲率中心に置いたレーザー干渉計で測定する。主鏡は球面とはわずかに異なるので、その分を補正するヌルレンズを通して干渉縞を計測する。ガラス鏡材の製造に4年、研磨完了までにさらに4年を要したが、1998年7月に世界最大かつ平方根二乗平均形状誤差13nm(1/50波長)という世界最高精度の8.2m鏡が完成した。

イメージ 1
●世界最大で最高精度の8.2mすばる主鏡が完成。蒸着前なので、264個の支持機構が透けて見える。

2.2 能動光学

 完成した主鏡は軽量化のため厚さが直径の41分の1しかない薄い鏡である。観測時には望遠鏡を傾けるため、上手に鏡を支えないと光の波長のレベルでは簡単にゆがんでしまう。この鏡の弾性変形の性質を逆手にとって、鏡の支持力分布を常に計測し、能動的にバランスよく支えれば、鏡面形状を常に最適化できるはずだ。すばる望遠鏡ではこのように考え、「能動光学」と名付けた支持方式を採用した。計算機シミュレーションの結果、鏡の支持は8つの同心円上にほぼ均等に配置した264点で行うこととした。1点当たりの支持荷重は望遠鏡の姿勢により0~90kgまで変化する。個々の支持装置はその支持力を1万分の1の精度で測定し制御できるアクチュエータが必要となった。国内メーカが、音叉(おんさ)型水晶発振子の張力に応じた振動数変化から支持力を求める超高精度力センサを開発し、1gの測定精度を達成した。観測中は適正な支持力分布になるよう、毎秒毎秒、支持力をコンピュータが制御する。に、すばる望遠鏡の能動光学システムを示す。

イメージ 2

 実際には、毎晩観測開始前に明るい星を光源として、鏡面測定装置で光学的に鏡面形状を計測し、最良星像が得られるよう力制御ループを校正する。筆者らが開発したシャック・ハルトマン型鏡面測定装置は、望遠鏡の瞳面に置いたマイクロレンズアレイで主鏡を約200個の小部分に分割し結像するカメラで、明るい星を撮影すると焦点面上に各小部分からの光が結像して約200個の星像ができる。鏡が理想的な光学面になっていれば、200個の星像が碁盤の目のようにきちんと並ぶ。星像の並びに乱れがあれば、その向きと変位量から鏡の対応する部分のゆがみを求めることができる。各アクチュエータの支持力を変化させたときの鏡の応答は事前に調べてあるので、鏡面形状の誤差分布さえわかれば、アクチュエータの支持力をどう修正すればよいかは、簡単な行列計算で求めることができる。これが能動光学方式の原理である。

イメージ 3

2.3 ミラーシーイング

 1989年秋にすばる望遠鏡の1/13模型で能動光学方式の実証実験の一環として鏡面の測定精度を検証した。人や車の外乱が少ない夜間のほうが、測定精度が上がるだろうと考え、鏡の形状の24時間連続測定を行った結果がである。驚いたことに予想とは全く逆で、夜間になると測定値がばらつく結果となった。最初は戸惑ったが、温度変化を合わせてプロットしてみて、重要な事実が判明した。夜間気温が下がると鏡も冷えるが、鏡は必ず気温より遅れて冷える。このため、夜間は鏡のほうが気温より温かい状態になり、鏡面からの陽炎(かげろう)で測定値がばらつくことが確認されたのである。この測定論文は世界中の天文台に衝撃を走らせた。なぜなら、世界中の望遠鏡が夜間、主鏡から立ち上る揺らぎ越しに天体観測をしていたことを、この論文は指摘したからである。すばる望遠鏡では、この現象を避けるため、熱容量の大きい主鏡を昼間から冷却して、鏡の温度が夜間気温より高くならないようにすることにした。

イメージ 4

2.4 すばる望遠鏡による観測成果

 初期調整を終え、7台の第1期観測装置も次々に立ち上がり観測が安定に進み始めたのは2002年ごろからである。
 すばる望遠鏡はさまざまな観測に利用されているが、その中でもほかの8m級望遠鏡にはない広視野主焦点カメラを駆使した、遠宇宙の撮像観測が華々しい成果を挙げた。図はそのような観測で発見された、赤方偏移7.0、距離にして129億光年のかなたにある銀河である。この天体は2006年から4年間にわたり、人類が見た最も遠い銀河となった。137億年前のビッグバンで始まった宇宙は、急激に膨張し冷えたが、やがて生まれた星からの紫外線で温められて、銀河間空間の水素が電離したと考えられている。すばる望遠鏡による一連の観測から、この宇宙の夜明け現象(宇宙の再電離)は今から129億年前、ビッグバンから8億年後の時代に起きたことがわかってきた。この分野の研究は日本がリードしている。

イメージ 5
●距離129億光年の最遠銀河の一例。この銀河の姿は129億年前の姿である。水素原子のライマンα輝線(波長121nm)が波長968nmに赤方偏移していることから、赤方偏移が7.0であることが確認された。

 すばる望遠鏡のもう1つの大きな成果は、太陽系外の惑星の撮影に成功し始めていることであろう。に、その実例を示す。このような観測が可能になった鍵を握るのが補償光学という技術である。補償光学で星像を回折限界にまでシャープにして、その光をマスクで遮蔽(しやへい)すると、星からの光を反射してかすかに光る惑星が見えてくるという寸法である。

イメージ 6

3.TMT計画

 すばる望遠鏡をはじめとして現在、世界中で8~10mクラスの望遠鏡は10台余りが稼働している。だが、世界中の天文学者は次世代を目指して、より大きな望遠鏡の建設を構想してきた。筆者たちも口径30mの三非球面光学系採用のJELT(Japan Extremely Large Telescope)望遠鏡をハワイに建設する構想を打ち出し、国産のゼロ膨張セラミクスで鏡を作る基礎開発を進めた。天文学界からは支持を得たが、建設経費を考えると日本単独では無理があり、2006年に国際協力での早期実現を目指すこととした。
 国立天文台はすばる望遠鏡の成果をさらに発展させるため、米国、カナダ、中国インドとの国際協力事業として、ハワイ島のマウナケア山頂域に口径30mの主鏡をもつ次世代超大型望遠鏡TMTを建設する計画に着手している。
 TMT国際合意書に署名した日本、中国、カリフォルニア大学とカリフォルニア工科大学は、2014年5月6日にTMT国際天文台(Thirty Meter Telescope International Observatory:TIO)を非営利法人として設立した。インドは2014年秋、カナダは2015年春に、そして全米科学財団は2018年以降に参加予定であり、2014年10月7日には山頂にて起工式を行い、建設に着手した。
 日本はこの望遠鏡の本体構造の設計製作、492枚のセグメント鏡の鏡材製作、セグメント鏡の非球面研磨の一部、観測装置製作の一部を分担する。完成は2022年以降になるが、口径30mの主鏡をもち、高度なレーザーガイド補償光学系を備えたTMTの解像力は、ハッブル宇宙望遠鏡の13倍、すばる望遠鏡の3.5倍となる。すばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡が撮影できる最も暗い天体は28等級に相当するが、TMTでは32等級の天体まで捉えることができると期待されている。

イメージ 7
TMT30m望遠鏡の構造。

イメージ 8
492枚の部分鏡から成る直径30mの主鏡。

 この望遠鏡はすばる望遠鏡で垣間(かいま)見始めた初期宇宙の時代に切り込み、最初の星や銀河が生まれた宇宙の夜明けの時代(ビッグバンから2~7億年)の宇宙の歴史を解明することと、太陽系以外の恒星を巡る惑星を具体的に観測して、その大気分析から生命存在の兆候を探ること、さらには21世紀最大の謎とされるダークエネルギーの正体に迫ることなどがその主なミッションとなると期待されている。

イメージ 9


イメージ 10


 TMT計画については、関係学会だけでなく、広く一般の方からも応援していだいている。国立天文台TMT推進室では応援寄付者の名前を刻んだ銘板を用意するキャンペーンを行っているが、2014年3月までの時点で1700名の寄付をいただき、第1期の寄付者銘板を現在はハワイ観測所ロビーに掲示中である。』





 
 
 
 

2020年の車載電子技術、Bosch講演

$
0
0

【自動車技術】2020年の車載電子技術

『 国際会議ASP-DAC 2015(20th Asia and South Pacific Design Automation Conference)の基調講演の1つに、ボッシュ取締役副社長のUdo Wolz氏が登壇した。
 Bosch社は自動車関連のソリューションベンダーである。約4万2700人の研究者と技術者が93の拠点で活動している。同社は1営業日あたり20件の特許を生み出しており、特許利用の観点からも世界のリーディングカンパニーであるという。
 そして自動車以外にも産業向けの製品や、エネルギーやビル関連、さらに一般消費者向け製品なども扱っていることをアピールした。その後、横浜にあるCoC(Center of Competence)、世界市場に向けた2輪車用アンチロックブレーキやパワートレインの開発について説明してから、本題である「2020年に向けた自動車の方向性と必要とされる技術」に関して語った。

バッテリー容量が2倍になり、価格は半分に

 まず、バッテリー。現在と比較してバッテリー容量が最低でも2倍になり、かつ価格も半分程度になるだろうという。幅広いシステムでノウハウが蓄積されていることから、将来の自動車がなんらかの形で電気をパワーの1つとして稼働し、かつ、そのようなクルマが安価に入手できるようになるのは間違いないであろうとした。その背景の1つが、規制を含めたCO2削減の必要性だ。
 例えば、エンジンをこまめに停止するというCO2削減手法から、ハイブリッド車プラグインハイブリッド車と効果的なCO2削減手法を導入するようになる。ただし、この際、システムの複雑度が大きくなっていく。現在、さらなるCO2削減の手法として期待されているのが自動運転である。それも各クルマが自動運転で稼働するのではなく、すべてのクルマが連携した自動運転になることにより、CO2削減効果は非常に大きくなる

完全自動運転に必要な4つの機能

 自動運転は「事故を防ぐ」という観点でも画期的な技術である。ただし、多様なセンサー技術やネットワーク技術を駆使する必要があり、システムの複雑度はさらに上がってしまう。Wolz氏によれば、2020年ごろには、ドライバーが主体なものの、一部の自動運転が実用化される。2025年までにはドライバーは必要なときのみ操作を補助するという高度な自動運転が実用化されると同氏は予測した。ただし、最終的な目標はドライバーが「ただの乗客」となるような完全自動運転である。
 そのために必要な技術を4つのカテゴリに分割した。すなわち、目の機能、脳の機能、力の機能、そして車としての機能、という4つの機能それぞれに関する技術である。目の機能は、周辺認識や、ドライバー監視、通信による情報取得。脳の機能は、情報のマッピングと解釈、および運転戦略。力の機能は、ブレーキやハンドル、変速機やパワートレインなどの各種動作とその制御。車としての機能は、自動車システムのエンジニアリング、電子的なアーキテクチャーと検証、である。Bosch社はこれらのすべてにおいてノウハウと経験を持っていると、Wolz氏は胸を張った。

Connected Vehicleが出現

 そして、これらの機能を実現がされると、現在のように各クルマが個別にネットワークとつながっている状態から、自動車を含めたネットワークの構成要素にクルマがなっていく。そうなると、クルマ同士の通信、あるいは、周辺からの情報取得などを通じてConnected Vehicleとなり、現在の自動車の概念を超える。そのようなConnected Vehicleは、交通、産業、エネルギー、都市、家庭とつながり、さまざまな価値を提供できると、Wolz氏は主張した。
 Connected Vehicle実現のための要求条件として、ハードウエアとしては、より大きな計算能力、スマートなMEMSセンサー、より小さなエネルギー消費、ソフトウエアとしては、より高いセキュリティーと安全性、標準アーキテクチャーをWolz氏は挙げた。とにかく、自動運転のように複雑度が上がると高い性能が要求されるのだ。

車載ICをプロセスの先端性によって3つに分類

 民生やコンピューターの世界と違って、自動車の世界では、1.5年から2年で性能が2倍になると言われるMooreの法則に沿った最先端のプロセス技術を使ったICが、これまで要求されなかった。自動車の世界では、最先端から5年から10年遅れたICを使うのが常であった。
 今後の自動運転時代を考えると、使われれるICはプロセスの先端性によって3つに分類できると、Wolz氏は述べた。まず、安全に関係するABSやエアーバッグに関しては、今後微細化が進んだとしても、現在と同じ世代のプロセスで作ったICが利用されると、同氏は予測した。
 次に、継続的な進化が必要とされ、かつ、安全性が要求されるエンジンなどを制御するECUでは、最先端から5年から10年遅れたプロセスで作るICが使われる。現在の一般的な車載ICと同じである。
 最後は接続性を実現する部分のIC。すなわち通信や運転支援システムには、スマートフォンなどと同じ最先端のプロセスで作ったICが利用される。自動車とスマートフォンなどの民生機器との連携は、自動車技術の成長に大きな影響を及ぼすであろうという予測を同氏は述べた。

イメージ 3

クルマもIoT化

 そして同氏は、自動車と民生機器の連携のロードマップを示した。それによれば、2012年まで、クルマはスマホを通じて主に消費者向けのクラウドにつながっていた。入手できるのは、高度化したカーナビであるインフォテインメントシステムが提供する渋滞情報などに限られていた(すなわち、Internet access)
 2018年ごろには、クルマの機械部分とITシステムが融合する。クルマの状態をクラウドに転送し、またクラウドから各種アドバイスをクルマの機械部分にまで届けることで効率的な運用が可能になる(IoS:Internet of service)。そして、2020年以降はクルマはクラウドの一部となり、頻繁なデータ通信によって、1台のクルマだけではなく、たくさんのクルマの動きを踏まえて、自動車を効率的に運用できるようになる、とWolz氏はいう(IoT:Internet of things)。

イメージ 4

クルマのセキュリティーには標準がまだない

 クルマのネットワーク化を妨げるのが、悪意のある第三者からの攻撃である。クルマに対する攻撃は、ECUといった部品や、車載ネットワーク、電気系部品のアーキテクチャー、車と車をつなぐネットワークなど、さまざまな部分で想定される。このため、全階層でのセキュリティー対策が必要である、とWolz氏は述べた。
 例えば、Bosch社はECU向けのセキュリティー対策として、標準化規格であるAUTOSARのAPIを持つ標準セキュリティー手法を提案している。安全対策にはISO26262が存在するが、セキュリティーにはそのような標準がまだ存在しない。ISO26262のようなセキュリティー対策の標準の必要性を同氏は主張していた。
 ネットワーク化や、セキュリティー対策のためのICに必要とされる処理能力は膨大である。現在は、比較的大きいCPUコアを複数使ったホモジニアスなマルチコアが使われ始めている。今後は、処理の複雑化に伴って、大きいコアと小さいコアの連携による効率化が必要になるとした。しかし、そのような大きいコアと小さいコアの連携ではソフトウエア開発が複雑になることを懸念材料として挙げた。


イメージ 2

 

 また、周辺環境を知るためのMEMSセンサーも重要であるとした。2020年にはIoTとIoSに対応する新しいMEMSセンサーの必要性をWolz氏は述べた。そして、圧力センサーや角速度センサーなどBosch社が持つ多様なセンサーを紹介した。


イメージ 1

 講演の終盤で、同氏は、自動運転を実現するための柱について説明した。(1)故障や万が一のときの、冗長なセンシング、ECU、制御機構。(2)ロバストな周辺監視。(3)技術的な故障、あるいは意図的な攻撃からの安全性とセキュリティーの確保。(4)正確かつ、いつでも最新な地図。(5)合理的かつ世界標準の法規制、の5つが自動運転を実現するために不可欠であると、同氏は述べた。
 最後に、自動車自体の電子化のみならず、自動車を含めた社会インフラ全体としての電子技術、運転アシストから完全な自動運転、スマートフォンを通じた通信接続から車から外部への直接的な通信と、現在も将来に向かって技術が進んでいることを示し、将来に大きな期待を残して講演を締めくくった。』





 
 
 
 

文化財3Dモデル

$
0
0

【設計ツール】文化財3Dモデル

『 Googleが世界の博物館・美術館と協力して、文化財の高精度3Dモデル約300点をオンラインで無料公開しました。
 含まれるのは古代の呪具や祭具、ギリシア・ローマの彫刻、近現代の美術品から動物の頭骨まで。3Dモデルはマウスやタッチでぐりぐりと回して好きな方向から鑑賞でき、博物館の収蔵品として詳しい説明も参照できます。

イメージ 1
 
 Google は各国の博物館や大学、研究機関との協力のもと、絵画や写本などの資料や史跡、歴史的建造物などを高精度にデジタル化する文化保全プロジェクト Google Cultural Institute を運営しています。今回の3Dモデルもこの Google Cultural Institute の活動です。

 3Dモデルを提供した博物館・美術館は以下の6館。リンク先でフィルタした結果が見られます。
Google は今後も各国の関係機関と連携して、文化財の3Dモデル化を進める予定です。』





 
 
 

 

戦国武将と味噌のパワー

$
0
0

【栄養】味噌

『 名古屋の名物料理といえば、みそカツにみそ煮込みうどんである。これらに使われているのは、独特の赤い豆みそだ。赤みそは尾張名古屋の名産となっている。
 だが、元はと言えば、赤みそは尾張名古屋ではなく、三河で誕生した。三河は徳川家康のふるさとであり、勇猛果敢な三河武士たちを育てた地である。赤みそは、この三河武士のソウルフードなのだ。
 みそはもともと、飛鳥時代に中国から伝えられた。当時のみそは、大豆と塩と水だけで作る豆みそであった。
 時代が経つと、大豆の発酵を早めるために、米こうじや麦こうじが加えられるようになる。あるいは、大豆を蒸して作る赤みそに対し、大豆をゆでて作るまろやかな白みそが考案された。
 しかし、三河では一貫して赤みそが作り続けられた。
 大豆はやせた土地でもよく育つ。それにはワケがある。大豆の根には、大気から窒素を取り込む根粒菌が共生している。だから、窒素分の少ないやせた土地でも成長することができるのだ。
 そして、三河の土地はやせていた。また、水の便が悪い台形状の土地が多く、水田を開くことができなかった。
 だから、大豆が盛んに栽培されたのである。大豆しかないので、豆みそしか作れなかったというわけだ。
だが、こうした環境の厳しい土地だったからこそ、強靭な三河武士が育ったのである。

イメージ 1

強豪たちを育てた赤みそ文化圏

 三河出身の徳川家康をはじめ、尾張出身の織田信長と豊臣秀吉。天下統一にかかわった3人の武将は、いずれも赤みそ文化圏で育った。
 この3人は、親族や家臣を全国に配置したので、江戸大名の7割は愛知県にゆかりがある。前田利家、本多忠勝、加藤清正、福島正則、山内一豊などの名将は、皆、赤みそ文化圏の出身だ。
 赤みそ文化圏は、なぜ、このように優秀な人材を生み出したのだろうか。
 大豆だけで作る赤みそは、米こうじや麦こうじを加えて作るみそよりも栄養価が高い。大豆には、ストレス軽減効果のある神経伝達物質、セロトニンのもとになるトリプトファンが豊富に含まれている。セロトニンは「しあわせ物質」と言われるほどで、気分が落ち着き、前向きになって士気が高まるのである。
 それだけではない。赤みそには、脳の機能を高めるレシチンや、疲労回復や免疫機能を強化する効果のあるアルギニンまでもが含まれている。
 三河武士が赤みそに育てられたというのは、決して大げさな話ではないのだ。

みそ作りを奨励した武田信玄

 みそは日本各地で作られているが、信州みそも有名だ。信濃のような山国では、コメは栽培しにくい。そこで大豆を使ったみそが作られたのである。
 戦国時代、信濃を支配していたのは武田信玄である。信玄はみそ作りを奨励し、「陣立(じんだて)みそ」という戦場食を考え出した。陣立みそとは、豆を煮てすりつぶし、こうじを加えて団子にしたものである。こうしておくと、進軍している間に発酵してみそとなる。
 信玄は、織田信長でさえ恐れさせ、徳川家康も三方ヶ原の戦いで大敗させたほどの強豪である。その強さの秘密のひとつは、陣立みそだったのだ。
 信州のように海のない地域では、塩はつねに備蓄していなければならない。みそは塩分を蓄えるのに格好の食糧であった。
 武田家には、川中島の周辺地域でみそを作るよう奨励した文書も残されている。川中島は信玄の最大のライバル、上杉謙信との戦いが繰り広げられた地である。信玄は戦いに備えてみそを準備したのだ。
 これが現在の信州みそのルーツである。

コメとみその食事は完全食

 腹が減っては戦さができぬ。戦国時代の武士たちは、日常、コメを1日当たり5合食べていたそうだ。おかず代わりに食べていたのが、野菜を入れたみそ汁だ。
 戦闘中ともなれば、コメを1日1升(10合)食べた。エネルギー換算すると5200キロカロリーだ。
 コメは豊富な炭水化物を含む、栄養価の高い食物だ。一方、みその原料である大豆はタンパク質や脂質を多く含んでいる。コメと大豆を合わせれば、3大栄養素である、炭水化物、タンパク質、脂質がバランスよく摂取できるのだ。
 また、コメはアミノ酸の中でリジンだけが少ないが、大豆はこのリジンを豊富に含んでいる。反対に大豆はアミノ酸のメチオニンが不足しているが、コメにはこのメチオニンが含まれているのだ。
  しかも、当時、武士たちが食べていたのは、白米ではなく玄米だった。精米技術が発達していなかったからだ。玄米は、白米に比べて、ビタミン、ミネラル、タンパク質が豊富に含まれている。
 つまり、コメと大豆の組み合わせは、理想的な完全食なのである。
 ただし、玄米は白米に比べて消化が遅い。この欠点を補うのがみそなのだ。みそには酵母菌、乳酸菌、酵素などが含まれていて、玄米の消化を助ける。
 コメとみそと野菜しか食べなかった「草食系」の戦国武士たちが強かったのは、このコメとみそを中心とした完全食があったからなのである。』





 
 
 

 

オープンイノベーション

$
0
0

【戦略技術】オープンイノベーション

『 自社の特許などを公開し、他社を巻き込んで新たな市場を開拓する「オープンイノベーション」と呼ばれる技術革新が注目されている。パナソニックはインターネットに接続できる家電など「モノのインターネット(IoT)」と呼ばれる分野で、保有する関連特許を無償化するという。自社の特許を他メーカーに利用させることで、新たな製品開発やサービスで主導権を握る狙いがあるとみられる。
   メーカーの特許をめぐってはトヨタ自動車が2015年1月、燃料電池車の関連特許を無償化すると発表したばかり。これまで自社開発にこだわり続けた日本企業だが、ここに来て欧米が先行するオープンイノベーションに追随せざるを得ない事情があるようだ。
 日本企業は1980年代から1990年代にかけ、ソニーのウォークマン、トヨタ自動車のプリウスに代表されるような革新的な商品を開発し、もの作りで世界をリードしてきた。これは研究開発から商品化、市場開拓まで自社グループで行う垂直統合型の技術革新で、クローズド(閉鎖された)イノベーションと呼ばれるビジネスモデルだ。トヨタなど一部の日本企業は現在も強い技術力を維持しているが、電機業界やIT業界では日本企業が技術革新で遅れをとり、グーグルやアップルなどの後塵を拝している。
   これは日本企業が自社開発した特許などの囲い込みに走り、世界的な潮流となったオープンイノベーションの流れに乗り遅れたことが要因のひとつという。「日本企業は従来から米国と比較してITを戦略的に活用する意識が弱い」とされるが、あらゆる情報がデジタル化され、インターネットを通じてつながるIoTが実現すると、車や家電などがネットワークにつながり、そこから収集されるビッグデータを活用することで、様々な新商品やサービスの誕生が期待される。しかし、「先端技術ほど市場が見えにくく、必要な補完技術もわかりにくい。事業化プロセスをいかに時間短縮できるかが成功の鍵を握る」という。
   そこで期待されるのがオープンイノベーションだ。企業が自社開発の技術だけでなく、他社の特許やアイデアを組み合わせることで、革新的で新しい商品やビジネスモデルを創り出すことができるからだ。特許を公開するだけでなく、大企業がアイデアや技術力のあるベンチャー企業や大学などと組み、新たな発想を取り入れることも技術革新だ。』





 
 
 

 
 

ベンメリア遺跡、カンボジア

$
0
0

【旅行】ベンメリア遺跡

『 ベンメリア遺跡とは、東南アジアの国「カンボジア」にある遺跡のこと。
 カンボジアといえばアンコールワットですが、実は旅好きに密かに人気なのはこちらのベンメリア遺跡。
 ジブリの名作「天空の城ラピュタ」のモデルとなっていることでも有名であの巨神兵が歩いていた町並みを思い出します。

イメージ 1


イメージ 2


イメージ 3


イメージ 4


イメージ 5


イメージ 6


イメージ 7

 ベンメリアのベンとは「池」、メリアとは「花の束」、花束の池という意味のこの遺跡は、アンコール・ワットより20年ほど前の11世紀末から12世紀初めころに建てられたと考えられています。建設には数代の王が関与しましたが、アンコールワットを建設したスールヤヴァルマン2世が主となって建てたということです。』





 
 
 

 


DNAが次世代ストレージに

$
0
0

【情報技術】次世代ストレージ DNA

『 ハードドライブやUSBメモリーなどに保存したデータは永久に存続するわけではない。ある調査によれば、ハードドライブは4年に22%の割合で消耗していくという。10年以上もつ装置もあるかもしれないが、1年ももたない装置もあるかもしれない。いずれにせよ、そうした記憶装置は永遠に存在するわけではない。数百万年にわたって保存できるようなデータ保存の最良の方法を見付けるべく科学者は自然界に目を向けている。すなわち、DNAだ。

イメージ 1

 こうした研究を進めているのは、スイスのチューリッヒ工科大学に所属している科学者のグループ。彼らが記憶媒体としてDNAに着目する背景には、DNAの莫大(ばくだい)な記憶容量がある。
 DNA鎖は複雑かつコンパクトであり、理論上は、わずか1グラムでグーグルやフェイスブックといった巨大企業の全データを優に保存できる可能性を秘めている。データ量で言えば、これは455エクサバイト(1エクサバイトは10億ギガバイト)に相当する。
 DNAは時間の経過とともに劣化していくが、化石の中のような特定の環境下では、数十万年ものあいだ生物の全ゲノムデータを保持できることが知られている。
 チューリッヒ工科大学の化学科および応用バイオサイエンス学科で講師を務めるロバート・グラス氏によれば、目下の課題は、DNAのなかに高密度にデータを記憶する可能性と化石のなかで見つかったDNAの安定性を組み合わせる方法を見付けることだ。
 「我々はDNAを安定に保つエレガントな方法を見つけた」と言うグラス氏は、高密度記録媒体としての可能性を模索しつつ、DNAを長期間安定した状態で保存していくことに自信をみせる。同氏が開発を進めているのは、化石の場合と同じようにDNAを低温下で乾燥させた上で、微小なガラス球の中に格納する方法だ。
 化石からのDNAの抽出については、これまでのところ約70万年前のものが最古だが、100万年前の化石からもDNAが抽出できると考える人もいる。
 グラス氏の方法でも化石と同程度の劣化速度なため、そこから考えれば、100万年の長期保存も可能かもしれないという。
 DNAが劣化するメカニズムについては、いまだ未解明の部分が多い。
 スペインのシマ・デ・ロス・ウエソス洞窟では、40万年前のミトコンドリアDNAを含む人骨が見つかった。人類のものとしては最古だ。永久凍土層でなくとも、洞窟の涼しい環境下でDNAが生き残ることがわかった。
 確かなのは、水と酸素がDNAの保存にとって大敵だということだ。試験管内で水と空気にさらされたDNAは2~3年しかもたない。グラス氏の場合、DNAをガラス内に格納して、これを冷やすことで長期保存を可能にしている。ゾルゲル法という技術によって、比較的簡単にDNA分子の周囲にガラスを張りめぐらせることができるようになった。
 同氏の研究チームがDNA記憶装置を使って試験的に保存したデータは、これまでのところ83キロバイトほど。スイス版マグナカルタとも言える「永久盟約」と「アルキメデス写本」だ。こうして保存された文書は1万年後、凍らせれば最長で100万年後も読むことができるという。
 問題となるのはコストだ。現在では、わずか83キロバイトのデータを記録するのに2000ドル(約24万円)の値段がかかる。ただ、グラス氏は楽観的だ。
 当初は高額だったヒトゲノム解析が数年で数百ドルの安さになったように、DNA記憶媒体も、医療用テクノロジーの進歩にともなって安価になっていくと予想している。』





 
 
 

 

ザオリダンス、コートジボワール

$
0
0

【ダンス】ザオリダンス(Zaouli)

こんなにバタバタ踊っているのに、頭が全くぶれない!
まるで宙に浮いているよう・・

『 コートジボワール共和国の部族のダンス「ザオリダンス(Zaouli)」は、50年代に生まれた女性のフェミニンさを象徴したもの。でも、今回紹介するのはそんな伝統的な文化の紹介とはちょっと違います。
なんとこのザオリダンスに現代音楽をマッチングさせてしまった動画が登場!


 ちなみにこのダンス、一体どんなものかというと、踊るのは常に男性なのだとか。鮮やかな明るい色のマスクや羽など、女性の美しさを象徴した衣装を来て踊るのだそう。主にお祝いごとや葬式などで見られるようですね。
ところで元々どんな音楽ったのか・・・。次の動画を見てみると、やっぱりアフリカンな太鼓のリズムがメインのようです。』






 
 
 

 

WebOS、OSに依存しないデバイスドライバ

$
0
0

【情報技術】周辺機器 WebOS

『 スマートフォンの OS に関係なくプリンタなどの周辺機器を自動的に接続できたら、どんなに便利だろう。富士通研究所が、HTML5 のような Web アプリから周辺機器をコントロールし、クラウドサービスと組み合わせて利用できるようにする WebOS 技術を開発した。

イメージ 1

 これで、サービス事業者や機器メーカーは、OS に依存しないアプリやドライバを開発できるようになり、ユーザーは、周辺にある機器をすぐにスマート端末につないで使えるようになる。
 これまで、スマートフォンやタブレットなどのスマート端末で周辺機器を利用するには、OS や周辺機器ごとに専用アプリが必要だった。アプリの OS 依存性を低減する技術として、HTML5 のような Web アプリを用いる方法があるが、周辺機器用のデバイスドライバは依然として OS ごとに開発され、アプリと一体化して提供する必要があった。
 一方、ブラウザ上でデスクトップのような環境を提供する WebOS 方式の実行環境が知られているが、ドライバの配置方法が確立されておらず、アプリ周辺機器が利用しにくい状況だ。
 そこで、富士通研究所では、OS 上に独自のアプリ実行環境層を構築し、周辺機器をコントロールできるようにすることで、Web アプリからクラウドサービスと周辺機器を接続できる技術を開発した。』





 
 
 

 

液状樹脂3Dプリンタ

$
0
0

【加工技術】液状樹脂3Dプリンタ

『 まったく新しい3Dプリンターが登場し、試作品作成が一層速くなる時が近づいているかもしれません。何時間もかかっていた3Dプリントが数分で終わるようになるかもしれないのです。
 米ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究者らは、この新たなプロセスを専門誌で説明し、「Continuous Liquid Interface Production」の頭文字から「CLIP」と名づけました。彼らは、この方法を用いることで、3D印刷のもっとも面倒な2つの問題、作成に長時間かかること、そして表面が粗いことに対処できるとしています。CLIPでは複雑なオブジェクトでも、従来かかる時間の数分の1で滑らかにプリントでき、また使用できる材料の幅も広がったと主張しています。


 液状樹脂を用いる現在の3D印刷法は、オブジェクトを一層ずつ時間をかけてゆっくりと形成していきます。層をプリントし、硬化させ、樹脂を補充し、また繰り返します。CLIPシステムでは、プロジェクターが連続的で非常に薄いオブジェクトの横断面図を、下から紫外線で写しだします。この光が、液状樹脂の底のすぐ上で、液体の層を硬化させます。その一方でプラットフォームが、形成されつつあるオブジェクトを樹脂から連続的に引き上げます。
 CLIPプリンターの目玉となる特徴は、液体の底にある酸素と紫外線を透過する窓です。酸素は硬化プロセスを妨げるため、底部に薄い非硬化樹脂層(デッドゾーン)が効果的に、そして連続的に形成されます。しかし、この薄い層は赤血球数個分の厚さしかありません。このため紫外線は透過し、デッドゾーンのすぐ上にある低酸素樹脂を硬化させます。樹脂は底部に貼りつくことなく、また酸素があるためにプロセスが遅くなる表面で行われていないため、より速いプリンティングが可能となるのです。形成されたオブジェクトをプリンターが引き上げると、吸引に伴い底部に低酸素樹脂が供給されます。
 また硬化プロセスを大幅に速めることで、3Dプリントはより滑らかになります。3Dオブジェクトの単一層が硬化するのを待つかわりに、CLIPは連続的にプリントし、射出成形品にも匹敵するオブジェクトを形成します。CLIPの製作者によると、もっとずっと細かい物(20ミクロン以下のオブジェクト)も作ることが可能であり、大半の3Dプリンターでは使用不可能なエラストマーや生体物質も使用できるようになる可能性があると言います。CLIPのプロセスは見た目が非常にクールなのもいいですね。製作者らは、映画「ターミネーター2」に登場する、あの象徴的な液体金属製のT-1000からヒントを得たとさえ語っています。
 しかし、結局のところ、この新たなプロセスが他と異なるのはやはりそのスピードです。CLIPの製作者によると、従来の方法と比較すると25倍から100倍も速くオブジェクトを作れると言います。
 研究者らは、Carbon3D社という新興企業でこの特許出願中のプロセスを活用し、年末までにCLIPプリンターの商用版を製造する予定だといいます。値段や仕様に関する情報はまだありませんが、Carbon3D社デバイスの初回の生産はおそらく、高品質の高速試作品作成のニーズが非常に大きい(そしてお金もあり余っている)新興企業や研究機関向けとなるでしょう。』





 
 
 

 

生物模倣ロボット、アリ・蝶・カメレオン

$
0
0

【ロボット技術】生物模倣技術

『 ドイツの産業用ロボットメーカーFestoが、まるで本物のように協力してエサを運ぶロボットアリや、ひらひらと空をとぶロボット蝶を開発しました。


 Festo は産業用オートメーション機器を生産する企業。たとえばセンサーや電磁弁、サーボモーター、空気圧システムなど、工場の生産ラインや自動車といった機械を動かすために欠かせない様々な部品群を生産しています。
 工場の生産ラインにおいては最終的に製品となるワークの流れが滞らないよう、各パートの協調した動作が要求されます。各所に配置したセンサーがワークの流れを信号に変換し、その情報を瞬時に処理してワークに加工を施し、さらに下流の動作を制御していく生産ラインの流れは、ある意味ロボットを動作させるしくみとよく似ています。
 Festo は数年前から大学や各種研究機関などと共同で「バイオニックラーニングネットワーク」を構築し、『自然の原理に学ぶ』をテーマとしたテクノロジーを研究しています。今回 Festo が発表したのはアリと蝶の生物模倣ロボット。アリはその強力な顎で小さな体の何倍もの重さがある餌を持ち上げることができます。また多数の固体が協力・協調して一つの仕事をこなします。

 Festo のロボットアリ「Bionic ANTs」は電圧を加えると物質が変形するピエゾ効果で足や顎を動かし、ステレオカメラで物体を認識します。自然界のアリが持つ協調性も備えており、ある個体が大きな餌(を模した物体)を運び始めると、残りの固体もそれに加わって協力体制を構築します。
 こうしたロボットアリの動作はすべて骨格表面に配置した回路が処理をしています。この骨格は3D-MID (Molded Interconnect Device)技術によってボディに直接電子回路を搭載しています。


ロボット蝶「eMotionButterflies」は、軽量な骨格と大きな羽をもち、本物と同様に空中をひらひらと飛び回ります。とはいえ、それだけであればこれまでにも似たようなロボットはありました。
 Festo が開発したロボット蝶は屋内 GPS を利用し、壁にぶつかることなく方向転換もできます。軽量化のためバッテリー容量は小さく、飛行時間は3-4分と短め。それでも復数で飛んでいる場合は互いを認識し、グループを組んで飛ぶといった芸当もこなします。


 最後は、より実用的なスタイリングをした「FlexShapeGripper」。参考にしたのはカメレオンの舌です。実際のカメレオンの舌は粘液によって昆虫などを捕まえますが、それだけではなく舌先でしっかりと獲物を包むように変形します。Festo のロボットアームもグリップ部分においてカメレオンの舌先を模倣することで、単純な構造ながらなんでもつかめるようになっています。
 青いグリッパー部分はシリコン素材を用いており、内部は2つの空間に区切られています。複動式シリンダーの動作によって変形が可能で、ワークをつかむ際はグリッパーを押し当てて、くるみ取る格好で持ち上げます。弾力性と柔軟性のあるシリコン素材の保持力は高く、ワークをしっかりと抱え込むことができます。
 また、表面を凹ませて吸盤のように使うことも可能。スマートフォンのような平面的な物であっても持ち上げることができます。』





 
 
 

 


ワンクリック詐欺対策

$
0
0

【スマホ】ワンクリック詐欺

『 2014年12月から相談内容に変化が見られました。それまでは「請求画面が表示された」という相談でしたが「請求画面の表示と同時に写真を撮られてしまったようだ」という相談が寄せられるようになりました。従来とは異なる手口で請求画面を表示するウェブサイトが出現しているようです。

(1)新しい手口1:請求画面が表示された時にシャッター音が聞こえる

 スマートフォンで表示される請求画面は、パソコンのように不正プログラムによって請求画面を繰り返し表示しているわけではなく、ブラウザに請求画面が表示、保存されているだけです。
相談者の話では、「請求画面が表示された時にシャッター音が聞こえた」ため、写真が撮られてしまったのではないかと不安を覚えたとのことでした。
過去にも、シャッター音を鳴らしたり、スマートフォンを振動させたりする不正アプリはありましたが、ブラウザによるウェブサイト閲覧だけではスマートフォンのカメラ機能を制御したり、撮影した写真をネットワーク経由で送信したりすることはできません。
ただし、利用者の操作をきっかけにブラウザ上で音楽ファイルを再生させることは可能です。そこで前述の相談内容から、請求画面を表示させる際にシャッター音の音楽データを再生させ、利用者に自分の写真が撮影、送信されたと誤認させることを狙ったと考えられます。
これは業者に個人に関する情報が伝わってしまったと利用者に誤認させ、慌ててメールや電話で業者へ連絡を取らせる意図があると考えられます。従来からある、請求画面上にお客様情報と称して端末のOSバージョン、閲覧ブラウザの種類、IPアドレスなどを表示させて誤認させる手口と類似しています。つまり、シャッター音を鳴らす以外は従来の手口と変わらないと言えます。

(2)新しい手口2:自動的に電話を発信させる

 シャッター音を鳴らす手口とは別に、登録完了画面が表示された後、自動的に電話を発信させるウェブサイトの存在も確認されています。
このウェブサイトにアクセスすると、登録完了画面の出現後、登録に関する情報が記載されたポップアップメッセージが自動的に現れます。このメッセージのOKボタンをタップすると電話発信を確認するポップアップが表示され、このとき、うっかり電話発信の操作をしてしまうと電話がかかってしまいます。
なお、電話の発信先はポップアップメッセージに記載されている問い合わせ先で、確実に利用者の電話番号を取得するため発信先の番号の先頭には186が追加されています。利用者が非通知設定にしていても、電話番号が相手に通知されてしまいますので、注意が必要です。

イメージ 1

この手口の悪質なところは、電話発信をキャンセルしても、登録完了画面に戻り、再び自動的にポップアップメッセージが現れ、ループ状態となることです。また利用者に“発信を押さない限り、元のようにブラウザが使えない”と思い込ませ、結果的に電話発信を促す点が巧妙です。

今回の手口への対処は、ブラウザの表示から請求画面を消すため、タブの削除や閲覧履歴の消去を行うこと、そして業者には絶対に連絡を取らないことです。
ただし、新しい手口2については、ブラウザのタブの削除は誤操作により電話発信をしてしまう可能性があるため、ブラウザの閲覧履歴を消去する方法を推奨します。

イメージ 2

従来の手口も含めて、ワンクリック請求の基本的な手口は、利用者に対して心理的に不安や焦燥感を与えることでメールや電話をさせ、その連絡先に様々な理由で高額な支払いを要求するといったものです。
そのため、請求画面が表示されても慌てずにブラウザに表示された請求画面を消すこと、そして決して業者に連絡を取らないことが重要です。もし業者に連絡をしてしまった場合や契約の成立に関して不安を感じる場合には、最寄りの消費生活センターへ相談してください。 』





 
 
 

 

カメラの5軸手ブレ補正

$
0
0

【センサー技術】5軸手ブレ補正

『 オリンパスの5軸手ブレ補正は実に優れもの。かなりブレブレな写真も「使える」写真にしてくれる…ということは理解できても、実際に「5軸手ブレ補正」と言われてもその仕組みは中々ピンと来ないかもしれませんね。
 以下の動画はOM-D E-M5 Mark II 本体をぐりぐり動かしながら、中のイメージセンサー部分をLUMIX GH4で撮影した実験動画です。


イメージ 1

 センサーシフト方式で、カメラが動いてもイメージセンサーの位置は極力動かないようにブレに合わせてセンサーを動かして補正しています。かなり激しくぐりぐり動かしているのにセンサーは頑なにじっと耐えていますね。』





 
 
 

 

カーシェアリング、トヨタ超小型モビリティ『i-ROAD』

$
0
0

【地域技術】カーシェアリング トヨタ超小型モビリティ『i-ROAD』

『 会員制カーシェアリングの「タイムズカープラス」は、トヨタの超小型モビリティ『i-ROAD』を使ったカーシェアリング「Times Car PLUS TOYOTA i-ROAD Drive」の社会実験を期間限定で10日から始める。

イメージ 1


イメージ 2


イメージ 3


イメージ 4

 超小型モビリティを使ったカーシェアリングやレンタルのサービスは、国土交通省の超小型モビリティ導入促進事業の申請者だけでも約40団体あるが、東京都心でのサービスははじめてだ。また、i-ROADを使ったカーシェアリングは、国内では愛知県豊田市の都市交通システム「Ha:mo(ハーモ)」に続くものとなる。
 「Times Car PLUS TOYOTA i-ROAD Drive」は、タイムズカープラスの法人会員及びTCPプログラムのステージ2以上の個人会員が利用できる。TCPプログラムとは利用状況によって獲得できるポイント制度のこと。
 このサービスの出発場所は、千代田区の有楽町イトシアにあるi-ROADタイムズ有楽町イトシアステーション。カーシェアリングは通常、貸し出し場所に返却するが、このi-ROADサービスに限っては、東京タワー(港区)、東京ドームシティ(文京区)、お台場パレットタウン(江東区)、浅草(墨田区)にある各i-ROADステーションのいずれかに返却する”乗り捨て”も無料で可能だ。』
 8時~20時までに出発し、22時までに返却することが条件で、利用料金は15分単位で412円。
 i-ROADはフロント2輪、リア1輪の3輪構造で1人乗り。最高速度60km/h。1回の充電で約30kmという航続距離のEVだ。全長2345mm、全幅870mm、全高1455mmと自動二輪車とほぼ同じ大きさで、車体を傾けながら曲がるなどの特性がある。また、軽自動車ナンバーだが高速道路の走行はできないなどの制限があるため、初回利用時に必ず講習会を受ける必要がある。
 このサービスは9月末日まで。常時5台を用意する。』





 
 
 

 

なぜ”C”ドライブか

$
0
0

【PC周辺】なぜCドライブ

『 ハードディスクドライブがパソコンで使われるようになってからほぼずっと、MS-DOSとかWindowsでは、メインのハードディスクがCドライブと名付けられていました。これはどうしてなんでしょうか。
 そもそもストレージデバイスを文字で識別するという考え方は、1960年代に開発されたIBMの仮想マシンのOSにさかのぼります。最初はCP-40やCP/CMSといったシステムにその考え方が見られ、その後デジタルリサーチ社の開発したCP/M OSでも追随されていきました。初期のシステム(CP/CMS)では、文字はたいてい論理デバイスの識別に使われていましたが、その後CP/Mなどでは、物理ストレージデバイスの特定にも使われるようになりました。
 そして1980年、IBMが当時比較的ポピュラーだったCP/M OSをIBMパーソナル・コンピューターに搭載すべく動いたのですが、なぜか交渉が決裂してしまいました。噂では、CP/Mを作ったゲイリー・キルドール氏の妻であるドロシー・キルドール氏が、交渉開始のためのIBMとの秘密保持契約にサインすることを拒否したせいだと言われています。彼女は「まず夫と話してからでないとサインできない」と言ったそうで、そのときゲイリー氏は出張中で不在でした。ただゲイリー氏は普段から彼女にビジネス交渉を任せることが多く、了解を必要とされるのは異例のことでした。
 当然、IBMの担当者は気を悪くしました。ドロシー氏に助言していたのはデジタルリサーチの弁護士、ジェリー・デービス氏だったと言われています。でも多くのビジネス交渉において、秘密保持契約くらいは普通に結ぶものです。関係者の証言も食い違ったままで、全体的に経緯がわからず、奇妙な印象です。
 その後の成り行きも、よくわかりません。ゲイリー・キンドール氏は後年、「出張から戻ってバケーションに向かう飛行機の中で、妻とともにIBMの担当者、ジャック・サムズ氏との合意に至った」と言っています。そして、IBMがその合意を受け入れなかったのだとも主張しています。でもサムズ氏は、そんなこと何もなかったと言っています。
 ともあれ今わかっているのは、その後IBMがデジタルリサーチからマイクロソフトに乗り換え、マイクロソフトがCP/Mクローンの86-DOSのライセンスを購入したということです。彼らは86-DOSをIBMの新PC用に作り変え、IBMはそれをPC DOSと呼び、マイクロソフトはMS-DOSと名づけました。
 CP/MのクローンをベースとするMS-DOSは、CP/M同様にディスクドライブを文字で識別する仕組みでした。MS-DOSではCP/Mから多くを真似ていたので、CP/M上で動く人気のソフトウェアも比較的簡単にポートでき、それらをIBMのPCでも動かせたんです。
 というわけで、ディスクドライブの文字の話に戻ってきます。初期のPCには、コスト的な問題で今みたいな大容量ストレージが内蔵されていませんでした(ハードディスクは1950年代から使われてはいましたが)。ハードディスクの代わりに、コンピューターには何らかのフロッピーディスクリーダーが付いていました。たとえば5.25インチフロッピーディスクリーダーが、MS-DOSなどのOSでは「A」と名付けられていました。一部のシステムにはフロッピーディスクドライブがふたつ内蔵されていたので、ふたつめは「B」ドライブとなりました。3.5インチフロッピーディスクという新種の登場によって、「A」「B」ふたつのディスクドライブの必要性はさらに強固になりました。
 その後1980年代後半に多くのPCでハードディスクドライブが標準になったとき、「A」と「B」はすでに埋まってしまっていたので、ハードディスクドライブは必然的に「C」と名付けられました。現在ではそこがメインのストレージデバイスで、たいていはOSも収められているんですが、それでも3つめの文字なんです。
 現在フロッピーディスクドライブを内蔵したシステムはほとんどありませんが、それでも「A」と「B」はデフォルトではフロッピーディスク用にリザーブされています。もちろん今どきのシステムでは、管理者権限があればドライブの文字は簡単に変えたり削除したり追加したりができます。それは、物理ドライブでも論理ドライブでも同じことです。

 ちなみに以下は、関連するおまけです。
・UNIXベースのシステム、またはLinuxベースなど同様のシステムでは、ドライブレターは使わず、全体をひとつのツリー構造として表します。ツリー構造の根っこ(ルート)は「C:」じゃなく、シンプルに「/」です。「/home」は、ツリーのある部分にマウントされた別の物理(または論理)ディスクドライブだったり、そうじゃなかったりします。同じように、このヒエラルキーの中にはどこにでも、任意の物理・論理ドライブをマウントできます。
・MS-DOSでも、すべてのシステムでハードドライブのデフォルトが「C」にされていたわけではありません。たとえば1983年リリースのApricot PCでは、「A」と「B」がハードドライブ用、「C」と「D」がフロッピードライブ用でした。
・マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏は、2015年3月時点で資産総額781億ドル(約9.4兆円)を保持し、フォーブス億万長者番付のトップです。もうひとりの共同創業者、ポール・アレン氏は、174億ドル(約2.1兆円)で51位です。マイクロソフトの前CEO、スティーブ・バルマー氏が入社したのは1980年でしたが、2014年に最大株主となり、206億ドル(約2.5兆円)で35位に位置しています。
・2013年、ビル・ゲイツ氏はゲイツ財団を通じて280億ドル(約3.4兆円)を慈善活動に寄付していて、現在の寄付総額は329億ドル(約4兆円)に及びます。寄付対象には子どもの予防接種の普及推進、大学進学への奨学金、マラリアワクチン開発、ポリオの根絶、などなどがあります。ゲイツ財団が管理する基金は435億ドル(約5.2兆円)あり、うち150億ドル(約1.8兆円)はフォーブスの億万長者番付3位のウォーレン・バフェット氏から贈られたものです。』





 
 
 

 

APコンソーシアム

$
0
0

【車載技術】APコンソーシアム

『 自動車の走る/曲がる/止まるといった制御系システムに組み込む車載ソフトウェアの標準規格として用いられているAUTOSAR。欧州を中心に策定が進められたこともあって、AUTOSARに準拠した車載ソフトウェアの設計開発に用いるツールや、OSやドライバなどの基盤ソフトウェア(BSW)は欧州系ベンダーの製品が広く利用されている。
 AUTOSARに準拠した車載ソフトウェアの採用を広げていく姿勢を見せている日本の自動車メーカーやティア1サプライヤにとっても、欧州系ベンダーの製品を選択するしかない状況だ。「この現状は日本の自動車産業にとって大きな問題になる可能性がある」と警鐘を鳴らすのが、名古屋大学大学院情報科学研究科附属組込みシステム研究センター(NCES)のセンター長を務める高田広章氏である。
 高田氏は、「このまま行くと、自動車の本来機能である制御系システムの車載ソフトウェアの開発に用いられるツールやBSWといったソフトウェアプラットフォームが全て海外製になる可能性も十分にある。そのような状況になった場合、日本の自動車産業の『モノづくり力』の低下につながる可能性がある」と指摘する。
 既にそうなってしまっている他分野の事例がPCと携帯電話機だ。PCであればマイクロソフトの「Windows」、Appleの「Mac OS」、オープンソースのLinux、携帯電話機であればAppleの「iOS」、Googleの「Android」、マイクロソフトの「Windows Phone」といったように、3社程度の海外発のOSが市場を独占している。高田氏は、「現在、日本の携帯電話機業界が抱えていたソフトウェア技術者の余剰人員が、車載ソフトウェア開発分野に押し寄せている。しかしこのままでは、車載ソフトウェアでも同様なことが起こりかねない」と指摘する。
 そこで、NCESとNPO法人のTOPPERSプロジェクトを中心に2014年度から活動を開始したのが、「車載制御システム向け高品質プラットフォームに関するコンソーシアム型共同研究(APコンソーシアム)」である。高田氏は、「AP(Automotive Platform)コンソーシアムの活動によって、AUTOSAR仕様に基づくリアルタイムOS(RTOS)とソフトウェアプラットフォームで、グローバルトップ3の一角となることを目指す」と意気込む。
 APコンソーシアムは、2011~2013年度の3カ年で実施された「次世代車載システム向けRTOSの仕様検討及び開発に関するコンソーシアム型共同研究(ATKコンソーシアム)」の後継となる。ATKコンソーシアムでは、AUTOSARの仕様に基づいて、RTOS「TOPPERS/ATK2」やCAN通信スタック「TOPPERS/A-COMSTACK」、ランタイム環境(RTE)ジェネレータ「TOPPERS/A-RTEGEN」などを開発している。APコンソーシアムでは、これらの成果を拡張/発展させる形で、AUTOSAR仕様をベースにした制御系システム向けソフトウェアプラットフォームを開発する方針だ。
 初年度となる2014年度の研究開発テーマは、(a)「TOPPERS/ATK2の機能安全規格対応」、(b)「時間パーティショニング機能の検討・開発」、(c)「BSWモジュールの開発」、(d)「RTEジェネレータの拡張とインテグレーション」の4つ。2014年度の進捗や成果を見ながら、2015年度以降の研究開発テーマを決め、約3年間継続的に実施するという。
 (b)は、(a)と同様に機能安全規格との関連が深い。時間パーティショニング機能とは、AUTOSARのアプリケーション層にあたるソフトウェアコンポーネント(SW-C)が使用するリソースを分離することで、あるSW-Cの動作に不具合が起きても、他のSW-Cの動作に影響を与えないためのものだ。しかし高田氏によれば、「現時点でのAUTOSARの仕様におけるタイミング保護機能は、機能安全規格に対応するには不十分だ」という。そこで、AUTOSARの仕様よりも良い内容を検討・評価し、APコンソーシアムの参加企業内で標準化する。その上で、「AUTOSARにもその仕様を提案していきたい」(同氏)としている。
 (c)では、マルチコアプロセッサへの対応を強化したBSWモジュールを開発する計画だ。エンジン制御用マイコンなどでは、既にマルチコアプロセッサが市場投入されている。その一方で、AUTOSARにおけるBSWモジュールのマルチコアプロセッサ対応はあまり進んでいない。このマルチコアプロセッサ対応BSWモジュールの開発が、欧州系ベンダー製品をキャッチアップする鍵になりそうだ。高田氏は、「AUTOSARのRelease 4.1で、TOPPERS/ATK2を開発する上でRelease 4.0から独自に拡張した内容とほぼ同じものが導入されていた。これを見て、われわれも技術的には決して負けていないと再確認できた」と語る。
 なおAPコンソーシアムの開発成果のうち、制御系システム上で動作するソフトウェアとRTEジェネレータのソースコード、これらの利用に必要な文書はTOPPERSプロジェクトを通して公開される。ただし、開発したソフトウェアの設計書や検証スイートなどの品質確保のための開発成果は即座に公開しない。APコンソーシアムに参加していない企業が利用したい場合には有償でライセンスする方針だ。
 APコンソーシアムにはオブザーバ参加を含めて20社が参加する。自動車メーカーからはスズキが、有力ティア1サプライヤからはデンソー、東海理化電機製作所、東芝、豊田自動織機、パナソニック、富士通テン、矢崎総業などが参加。アイシングループのソフトウェア開発子会社であるアイシン・コムクルーズも参加している。「他にも参加を検討中の企業が複数ある」(高田氏)という。
 参加企業の中で、最も興味深いのがイーソルだ。イーソルは、国内の車載ソフトウェア標準化団体であるJasParが2007~2009年度にかけて行った自動車向け共通基盤ソフトウェアの開発事業に参加し、その開発成果を用いたツール「eSOL ECUSAR」などを展開する数少ないAUTOSAR対応ツールの国内ベンダーである。イーソルは、RTOSに関連する研究開発テーマである(a)と(b)だけの部分参加となる。』





 
 
 

 

サラウンドフォーマットDTS:X

$
0
0

【音響技術】サラウンドフォーマットDTS:X

『 DTS が、新しいサラウンドフォーマットDTS:Xを 正式発表しました。1月のCES 2015 で概要を発表していた技術で、Dolby Atmos と同様にオブジェクトベースのサラウンド音声再生技術を採用する点が特徴です。対応する AV アンプを使えば 5.1ch、7.1ch といったスピーカー構成でも最大のサラウンド効果を引き出せるほか、将来的には 32ch のスピーカーにまで対応します。
 「柔軟性のある没入型のオブジェクトベースオーディオ」と表現される DTS:X は、サラウンドの原理としては Dolby Atmos とほぼ同じ方式です。従来のように固定のチャンネルごとに音声信号を送るのではなく、音声ストリームにメタデータとして空間情報を挟み込んでおり、音を発生するオブジェクトの位置や移動幅を演算して、リアルタイムにサラウンドスピーカーへ「レンダリング」して再生します。
 規格としては家庭向けの「DTS:X」と劇場向けの「DTS:X CINEMA」を用意しており、家庭向けの DTS:X では、すでにある 5.1ch /7.1ch といった構成のスピーカーをそのまま利用可能(AV アンプは DTS:X への対応が必要)です。DTS によれば、現在開発が進められている DTS:X 対応 AV アンプでは最大で 11.2ch までのスピーカーに対応するとのこと。また将来的には最大で 32ch 構成まで対応する予定です。
 音声ストリームは DTS HD Master Audio との互換性を保持しつつ、高品位再生のためのロスレスエンコードをサポート。音声サンプリングレートはステレオ/マルチチャンネルベースで最大192kHz、オブジェクトベースの場合は 96kHz に対応します。ただし、高ビットレート再生が困難なシーンがあった場合は自動的に不可逆圧縮再生に切り替えられます。
 一方、DTS:X CINEMA はオープンプラットフォームな劇場向けオーディオシステム MDA(Multi Dimentional Audio)に取り込む形で展開しており、デジタルシネマソリューションの GDC Technology やオーディオシステムの QSC、再生用チップ設計の USL などと協力して劇場への導入を拡大予定としています。なお、アジア地域では GDC によって2015年5月からおよそ350か所の劇場に導入される計画です。
 蛇足ですが、オブジェクトベースのオーディオフォーマットとして先行している Dolby Atmos は、劇場への導入こそ順調なものの、家庭向けでは対応 BD ソフトがあまり増えていません。ためしに日本のアマゾンで検索したところ、バージョン違いを除けば10タイトルほどしかありませんでした。国内初の対応作『ネイチャー』の発売からまだ5か月とはいえ、劇場公開時は Dolby Atmos に対応していた映画でも、BD 化の際にはスルーされることが多いのは残念なところです。
 DTS の発表文では、世界中の AV アンプ/サウンドプロセッサーメーカーのおよそ90%が DTS:X 対応製品を開発予定。デノンは5月下旬発売予定の AV アンプ AVR-X7200WA に対し、対応ファームウェアを提供すると発表しています。ほかにも日本のメーカー/ブランドではマランツ、オンキヨー、パイオニア、ヤマハなどが2015年内に対応機種の発売を計画しています。』





 
 
 

 

人工心臓の歴史と進歩

$
0
0
【医療技術】人工心臓
『 日本機械学会発行の『日本機械学会誌』、第118巻第1155号(2015年2月)に掲載された記事の抜粋

[1]人工心臓の歴史と仕組み

 人工心臓の歴史は、阿久津哲造博士が世界で初めて動物実験を行った1958年に始まる。当初は自然心臓と取り替える全置換型人工心臓の研究開発から始まったが、やがて心臓移植が普及し、1980年代からは移植心臓が見つかるまでの橋渡しとして、1つの心室を補助する補助人工心臓の開発が主流になってきた。最初は拍動流方式の容積形ポンプが使われていたが、20世紀末からターボポンプを使った補助人工心臓が実用化され、日本でも4種類のターボポンプ型の補助人工心臓が製造承認を受けている。ターボポンプ型の血液ポンプは拍動流型ポンプに対して連続流ポンプとも呼ばれる。
 連続流型ポンプは小型化が可能で機械的寿命が長く、血液鬱帯が少ないなどの利点を有しているが、インペラを回転させる軸受が大きな課題だ。軸流ポンプでは摺動軸受のピボット軸受が使われるが、摺動部分が血液中に位置するため、軸受での発熱に伴う血液破壊や凝固の可能性が根絶できない。そこで、動圧軸受や磁気軸受を用いてインペラを非接触支持する方法が検討されている。これらも血液凝固を防止するため薬剤による抗凝固療法が必要で改良の余地はあるが、血液ポンプを小型化できたことで体内植え込み型補助人工心臓として使用可能となり、患者が退院できるようになった恩恵は非常に大きい。
 重篤な心疾患の場合、全身への送血を補助する必要性が高いため、補助人工心臓の多くは左心補助に用いられる。現在の体内植え込み型補助人工心臓で体内に埋め込まれるのは血液ポンプ部のみで、ポンプとエネルギー、情報を受け渡しするためのケーブルが皮膚を貫通して体外に出され、体外コントローラ・バッテリーに接続される構造となっている。日本では2011年4月に保険収載して臨床使用が始まり、2014年10月1日時点で280例に植え込まれている。

[2]退院できる補助人工心臓の利点と問題点

 体内植え込み型補助人工心臓の利点は、患者のQOL(Quality of Life)向上と医療費削減である。病院に縛られていた患者の自宅への帰宅や社会復帰も可能となり、QOLは格段に向上した。また、入院費用の面でも大きなベネフィットがある。経済効果に関してはさまざまなケースについて検証の必要があり、一概に言えないが、補助人工心臓を植え込んだ後に入院し続けた場合と比較すると、月200万円程度かかる入院費用が退院で数分の一となる。
 一方、問題点は血液凝固、感染症などの併発である。抗凝固療法薬は万能薬ではなく、血液ポンプなどで小さい凝固塊ができる場合があり、これが脳に飛ぶと脳梗塞を引き起こす。また過度の抗凝固療法は脳出血を引き起こす原因にもなりかねない。連続流型ポンプは血液鬱滞部が少なく、血流も常に一方向に保てるため抗血栓性は格段に向上したが、血液の凝固は解明されていない点もあり、さらなる研究が期待される。また、体内植え込み型補助人工心臓を植え込んだ患者の1年間の感染症発症率は55%で、多くが皮膚貫通ケーブル由来のため、皮膚貫通ケーブルの廃絶が近々の技術的課題となる。

[3]経皮的エネルギー伝送技術と新しい補助人工心臓

 経皮的エネルギー伝送(TET)システムは体外に送電1次コイル、体内に受電2次コイルを置き、交流電流を1次コイルに流すことで体内2次コイルに電磁誘導を生じさせて送電する。携帯に用いられる無線送電と同様の技術だが、人工心臓に応用するには課題が3つある。それは、[A]パワー伝送時の放射磁界強度が国際規制値を超える、[B]植え込み部品が多く大きくなる、[C]体内に植え込むバッテリーの安全性が担保できない、というものである。茨城大学、東京理科大学(柴健次准教授)、東京大学(許俊鋭元教授)のチームは、この3点を解決した新しいTETシステムを、新コンセプトの体内埋め込み型補助人工心臓とともに開発している。
 新しい補助人工心臓は軽中等度の心不全患者を対象に、扁平な磁気浮上カスケードポンプを胸部筋層下に植え込み、左房から脱血、鎖骨下動脈へ送血するもの。体内制御・TET装置を一体化して腹部に植え込む。
 対象患者は薬剤療法に頼っており、その治療費は心疾患にかかる医療費の大半を占める、と考えられる。大部分はQOLも低く、自宅待機または入院患者で、薬物治療のみでは心不全の重症化を止められない。こうした患者に補助人工心臓による機械的循環補助を早期適用することで重症化を防止できれば、新しい治療アプローチを確立でき、心不全の治療体系を塗り替えることにもつながる。またQOLも大きく向上させ、高額な医療費を大幅に抑制して社会復帰・生産活動復帰を促進するなど、医療経済的にも大きな波及効果をもたらし得る。

[4]室内で48時間、室外で24時間バッテリー駆動可能

 本補助人工心臓は軽中度心不全患者が対象のため、補助流量の目標値は動脈血圧100mmHg~150mmHgに対して2L/minと一部補助(従来の補助人工心臓の目標流量は5L/min以上)としている。また、10年オーダーの長期植え込みを考慮し、ポンプを薄くして胸部筋層下に低侵襲で植え込めるようにして、ポンプの取り替えも簡易にした。
 そのため流入出口を同一平面に配置できるカスケードポンプを採用し、径方向支持型磁気浮上モータを開発するなどして、世界最薄の磁気浮上補助人工心臓を実現した。摩耗する摺動部品を完全撤廃したことから機械的寿命は半永久的で、浮上回転インペラとポンプ内壁の血液ギャップを広く取ることで良好な血液適合が実現できる。またインペラをリング状とすることで潜在的な血液破壊部分も可能な限りなくす。
 東京理科大学で検討中のTETシステムは、体内電池充電も含め電力5Wを送電可能である。皮下に直径40mm、厚さ1mmのフレキシブルなリング状(中空形状)コイルを植え込み、体外バッテリーから300~600kHz帯の正弦波交流でエネルギーを伝送する。加えて、充電機器から数m以内であれば常時体外携帯バッテリーに充電可能なシステムも検討中である。
 試算では8時間用体外バッテリーの70%の大きさで、室内で48時間、室外でも24時間、バッテリーで駆動可能となる。技術的な実現性は非常に高いが、高エネルギー密度のリチウムイオン電池の体内植え込みには賛否が分かれており、本システムでは使用しない方向である。他の機器も含め、今後体内植え込みバッテリーの安全性の確保などの技術も研究開発が必要である。 』





 
 
 
 
Viewing all 939 articles
Browse latest View live